PresSTORE プールクローニングについて

PresSTOREに実装されているストレージプール(Pool)は複製(クローン)を作成し冗長化することが可能です。プールクローニングの設定を行うことで複数のドライブに並列書き込みを行い、万一片方のプールやボリュームに問題が生じた場合でも、クローニングプールから復旧させることも可能です。例えば、VTL(仮想テープライブラリ)環境をディスクストレージ上に作成した場合で、プライマリ動作しているプール環境に障害が発生しても、クローニングしたプール環境からデータリストアなどを行うことが可能になります。


PresSTOREでのプールクローニング設定は「メディア管理」>「プール」>「プール設定」>「データブラウザ設定」から行います。

Clone-Pool

プールクローニングを有効にするには「クローンデータ」のチェックボックスをONにします。「リストドライブのみ使用」の項目は、クローンソースになります。設定されているドライブ名がプルダウンメニューに表示されますので、クローニングするドライブを選択し「+」ボタンでリストへ追加します。(※ここでの「ドライブ(drive_x.x)」とは「ストレージマネージャ」に設定表示されている「ジュークボックス」設定のことを示します)同様に「クローンのためのドライブ」の項目に、クローンターゲットのドライブをリストへ追加します。このプールクローニングの設定を行うことにより、プライマリ動作している環境から、並列処理でクローンプール(ドライブ)へも書き込み処理されることにより冗長化されます。



P5が備えるクローン機能では、ボリュームを複製し、クローンとして維持することでデータの可用性を高めることができます。
オリジナルのボリュームが万一読めなくなったとしても、もう1方のクローンからデータを復元することができます。 P5ではプールのクローンにも対応しています。

プールクローンを行うには、2セット目の保存メディアに対しても並列処理で同時に書きだされる必要があります。このプールクローニングはウェブインターフェイスの「Media Pools->yourpool->General Setup」から設定できます。Clone dataチェックボックスにチェックを入れ、メインのデータ用のドライブとクローン用のドライブを指定します。同時にデータを書き込む必要があるため、このプールクローニングには2つのドライブが利用できる環境だけで使用可能です。プールクローニングでは同一のデータが保存されたボリュームが2つ生成されます。

(ごく初期のバージョン2までのPresSTOREでは、プランクローニングと呼ぶ機能が存在していましたが、バージョン3で廃止されました)

テープ装置を1台しか保有しない(または同等のテープ装置を複数運用できないユーザー)環境では、この複数のテープ装置を利用したプールクローン機能の代わりとして、同一のデータを2回アーカイブすることも検討できます。単純に同じ元データを2回アーカイブするので、生成された各テープセットは完全なクローンではありませんが、同じデータがアーカイブされたテープが得られます。万一片方のテープやテープセット全体が失われたり読み取り不可になった場合でも、もう片方のセットからデータを読みだすことができます。