ToolsOnAir、IBC2011にてMac miniで構成された放送システムコンセプト「Ultra Studio ToolsOnAir on Mac Mini」を展示

オーストリアの放送システムインテグレーターでありソフトウェア開発メーカーであるToolsOnAir社は、9月に開催されたIBC2011において、「Ultra Studio ToolsOnAir on Mac Mini」と題して、2台のMac miniとBlackmagic DesignのUltra Studio 3Dで構成されたリアルタイムCG機能を備えた自動送出放送サーバーコンセプトのデモ展示を行いました。この構成例は300万円台で構築が可能であり、EU内で放送局を設置申請する際の法務費用程度で賄えることを意味します。

本構成はMac miniの可能性を示したコンセプトであり、実際のテレビ局システムの構築には信頼性が高いMacを使用することになりますが、極限なまでに低廉なハードウェアでも放送局を構築でき得るということを証明しています。また、低消費電力と省スペースへの要請が高い中継車などの用途にきわめて有用です。

ToolsOnAir社 副社長ギルベルト・レブ氏 : 「Mac miniにより、非常にコンパクトなフォームファクタとわずか85ワットの消費電力でリアルタイムキャラジェネ機能をもつ自動送出サーバーが構築できます。このシステム例ほど効率的な放送ソリューションはありません」

「インテグレーター企業のハヌプロ社は、リアルタイムCGとjust:liveのライセンスを仕入れただけで独力でラトビア、エストニア、リトアニアにある大規模なスタジオのシステム構築を完成させました」

ToolsOnAir社のソリューションが各国で数々の放送局システム構築プロジェクトで導入が始まった初期の頃でも、安定性への不安は全く議題に登りませんでした。もはや複雑に絡み合ったシステムを個別に設計しなければならない必要性は薄れつつあります。さらにLeb氏はバルト3国の放送局での事例に触れます。バルティックTV3(エストニアの民放局)はパナソニックP2ベースのテープレスワークフローを採用しています。現状ではまだSDですが、既にHDに対応可能です。リガ、首都タリン、ヴィリニュスの3拠点にある報道スタジオは相互接続されており、ニュースルームでは、各10人から18人の報道担当が素材プレビュー、コンテンツ管理、ニュース原稿作成、粗編、編集の作業にあたります。同局ではリアルタイムグラフィックスもTOA機材で作成されてオンエアされます。